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ゼネコンのトップたちが振り返る『平成の建設業界』とは?

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日刊建設工業新聞 » 建設業界の平成/激動の30年、次代への課題は/変革の時代に重み増す役割

年号が変わる年になりました。上記記事で、日本のゼネコンのトップたちが 『平成の建設業界』について振り返っています。

この記事では

平成の建設業界には何が起こった?
ゼネコンのトップは平成という時代をどう思っているの?

という点について書いてみます。

建設バブル期とバブルの崩壊

「売上高が1兆円を超えたころに平成が始まった。絶頂期だった」。そう振り返るのは熊谷組の櫻野泰則社長。国内建設投資は1985年に50兆円を超え、その5年後には80兆円の大台に乗り、ゼネコン各社が急成長を遂げた。だが、平成に入って直面したバブル崩壊によって経営面で厳しい時期もあり「いくつかの山を越えた」(竹中工務店・宮下正裕社長)

他の産業も同じかもしれないですが、建設業界にとっても、平成はとても変化の大きい時代であったようです。

まず平成といえばバブル期とその崩壊ですね。私はバブル期の建設業界を経験していないですが、本当かウソかよく分からないすごい時代であったというような話はよく聞きます。

バブルって夢のような逸話があるよね。

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この表からみて分かるように、今では回復しつつあるものの、平成初期のピーク時の建設投資額に比べて、平成後半の建設投資額は半減しています。

上記ゼネコントップの言葉にもあるように、建設業界にとって平成の時代は絶頂気でもあり、厳しい時代でもあったことが、このグラフを見るだけでも分かります。

現在は回復しつつある建設業界の景気についても、平成から時代がかわり今後どうなっていくかは誰にも分かりませんし、予想しかできません。

現在の建設業界の見方として、最大市場である東京首都圏、開発需要が底堅い札幌、リニア新幹線の大阪行きの起点になる名古屋、万博決定がプロジェクトを誘発する大阪、堅調な需要がある福岡など、東京五輪後も市場規模は一定程度見込めるとの判断がされているようです。

公共工事における一般競争入札の導入

「建設業にとって平成で一番大きな出来事は一般競争入札の導入だ」と指摘するのは安藤ハザマの福富正人社長。

最近もリニア問題で取り上げられている談合ですが、平成18年に相次いで発生した談合事件をきっかけに、公共工事の透明化を求めて当時入札形態のメインであった指名競争入札から一般競争入札へと変わっていったようです。

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参照:https://www.jftc.go.jp/info/nenpou/h18/H18_top.html

上記談合事件を受けて、一般競争入札の入札形態をとる発注機関は次第に拡大していき、現在では以下のような数字になっております。

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参照:入札契約適正化法に基づく実施状況調査の結果について(1/14) : 財務省

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参照:http://www.soumu.go.jp/main_content/000523883.pdf

しかし、この一般競争入札の導入には、デメリットもあり過度の価格競争が発生し、 工事の品質低下などにつながってしまうこともあったそうです。

指名競争入札とは

一般競争入札へとシフトしていく以前にメインの入札形態であった、指名競争入札とはどういうものなのでしょうか。 f:id:kentikukun:20181228184801p:plain

上記イメージのように、発注機関が特定の企業を指名し、その中からもっとも有利な条件を提示した企業を契約の相手とする契約方式です。 入札案件の「工事」の種類や発注機関によって、それぞれの『指名基準』という企業評価に基づいて発注機関から企業へ指名を出されます。

指名競争入札のメリット

  • 良質な業者を選定することにより、質の高い工事を確保し得る
  • あらかじめ一定の条件を満たす業者を選定するため入札審査等の業務が低減できる

指名競争入札のデメリット

  • 指名により入札参加者が限定されると談合を誘発しやすい
  • 優良な会社だが実績がない会社が参加機会を得にくくなる

一般競争入札とは

f:id:kentikukun:20181228195530p:plain 一般競争入札とは、国・省庁・地方自治体等の官公庁などの発注機関が入札情報を公示し、参加者を募り、 希望者同士が競争をして契約者を決める入札形式のひとつです。

一般競争入札のメリット

  • 手続の透明性が高く第三者による監視が容易であること
  • 競争参加者の数が多く競争性が高いこと

一般競争入札のデメリット

  • 施工能力に欠ける者が落札し,公共工事の品質の低下をもたらすおそれがあること
  • 不良不適格業者の排除が困難

「コンクリートから人へ」をスローガンに

当時を振り返るゼネコン各社のトップは異口同音に「建設業にとって最もつらい時期だった」と話す。

「コンクリートから人へ」というスローガンは、無駄な公共事業を無くすという意味ではとても良いスローガンではありますが、建設業にとって、公共事業投資の減少はとても痛い部分があったと思います。

私がこの業界に携わっていなければもっと素直に良いスローガンだと思えていたかもしれません。

11年3月に東日本大震災が発生

竹中土木の竹中康一社長は「震災を境に国土強靱(きょうじん)化に対する意識が高まった」と分析する。震災の翌年に起きた中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故では老朽化インフラの脆弱(ぜいじゃく)さが露呈し、「インフラは老朽化しており、それを維持しなくてはいけないということに社会が気づき始めた」(鉄建建設・伊藤泰司社長)きっかけになった。

公共事業をただ減らすのではなく、必要なところにはしっかり手を付けていかなければなりません。 日本のインフラを支えるということは、建設業界の大きな役割の一つではないでしょうか。

以前ブログの中でも取り上げましたが、日本のインフラも老朽化し、維持が必要なことは確かです。

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人手不足が次の課題

人手不足が次の課題として立ちはだかっている。ゼネコン各社はICT(情報通信技術)活用による生産性向上施策、働き方改革などを打ち出して現状打開策を模索。五洋建設の清水琢三社長は「安倍内閣成立以降の取り組みは建設業にとって将来大きな転換点になる」と見通し、戸田建設の今井雅則社長はこの状況を「建設業のパラダイムシフト」と表現する。東京五輪、大阪万博などの大規模イベントに向けた盛り上がりが高まる一方で、「地震リスクも年々高まっている。災害への備えが必要だ」(清水建設・井上和幸社長)

国土強靭化や東京オリンピックの開催をはじめとして、建設業界の景気は回復しつつありますが、次の課題として人手不足という問題が立ちはだかっています。

人手不足への対策として

  • 業界を改善し、人手を集めるための働き方改革
  • 少ない人数で、効率を上げる生産性向上

建設業界では最近「働き方改革」「生産性向上」 という言葉をよく耳にするようになりました。

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これらの取り組みは、これまでの建設業界を大きく変える取組みとなっており、それは実現されようとしています。 まさに建設業のパラダイムシフトです。

建設業は新しい時代へ向かう

建設業はこの流れのまま新しい時代に移行できるのか。三井住友建設の新井英雄社長は「良い流れが来ている。この流れを逆戻りさせてはならない」と強調する。日本国土開発の朝倉健夫社長は「平成の一番大きな教訓として、同業のゼネコンの後を追っても先がないということを学んだ」と振り返り、「独自でいろいろなことを考えないと次の世代は成り立たない」と厳しい見方を示す。

それぞれの建設会社が新しい技術や新しい働き方に取り組んでおり、建設業が変われる良い流れが来ているのではないでしょうか。 建設業はこれまで、3K(きつい・きたない・きけん)と呼ばれていた業界でしたが、このままいけば建設業が3Kとは言われない時代が来てくれるのだと思います。

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人工知能とロボットを建設業にも取り入れる

人工知能(AI)やロボットの普及により、新たな時代での大きな変革を予想する声は少なくない。大成建設の村田誉之社長は「職人がロボットを使いこなし、そのぶん職人がよりレベルの高い仕事をできるようになる」と見通す。大林組の蓮輪賢治社長は「建設技能工の多能工化、ロボットの導入などが進むことで生産性や施工プロセスの抜本的な変革が引き金となり、建設業の重層構造が成り立たなくなるのではないか」と大胆に予想する。

AIやロボット産業の取り組みが現在盛んになっていますが、建設業も負けてはいません。 建設業においては、他の産業と比べてロボット化や自動化が遅れている状態でした。

それには、建設業界が大量生産されるものではなく、一品受注生産であることや、工事や敷地の条件が建物によって大きく変わることなどの 建設業特有の条件があることも一つの要因かもしれません。

しかし、今はそういう時代ではなく、積極的に技術革新を行っていかなければならない時代が来ているのだと思います。

飛島建設の乘京正弘社長は「得意分野は共有しつつ、業種・業界の壁が無くなってボーダーレスな時代になるのではないか」と建設業の業態を展望。フジタの奥村洋治社長は「平成の30年間の中で学んだことをいかに後世に伝えられるか、それが日本にとっても建設業にとっても非常に大きな意味を持つ」と指摘する。

まとめ

「平成」も今年で最後ということで、建設業界のトップたちの言葉をもとに平成を振り返ってみましたが、 みなさんにとって平成とはどんな時代だったでしょうか。

建設業界はいま大きな変革を迎えようとしているのは確かだとおもいますので、これからも興味をもって建設業界の動向とこのブログをみていただければ ありがたいです。

何はともあれ年末年始になりますので、みなさんが健康でいられることが一番でありますので、 いつものことばで締めくくりたいと思います。

ご安全に