ゼネコンマンの現場辞典

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フルハーネスの着用が義務化になるのはいつから?

 

今日は、建設業界で働く人なら誰もが気にしているであろう、フルハーネスの着用の義務化についてまとめていきたいと思います。

今まで安全帯を呼んできたものも、法律上の名前が変わってしまうみたいです。 その名も『墜落制止用器具』です。 なんとも呼びにくい名前になってしまいました。

今後は指差呼称でも『墜落制止用器具はよいか!!』と言わなければならないかもしれません。。。 そんなことはさておき、早速フルハーネス着用の義務化についてまとめていきます!!

フルハーネス着用の義務化は結局いつから??

いつからフルハーネスが義務化されるのかというところが一番気になっていると思いますので結論を最初に書いてしまいます! フルハーネスの着用が完全に義務化されるのは、2022年1月1日です。 詳しくは下記にまとめていきます。

政令第百八十四号

労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令

内閣は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第四十二条及び第百十三条の規定に基づき、この政令を制定する。

労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号)の一部を次のように改正する。

第十三条第三項第二十八号を次のように改める。

二十八墜落制止用器具

附則

(施行期日)

1この政令は、平成三十一年二月一日から施行する。

(罰則に関する経過措置) 2この政令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

参照:「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」を公表します

ということで、安衛法上では2019年2月1日から、フルハーネスの着用が義務化されるということになります。

「え?知らなかった!」

「まだ安全帯買ったばかりなのに・・」 という人もいるかもしれません。

そこで、この法律には一般的な安全帯の耐用年数を考慮した経過措置があります。

ア 改正省令附則第2条は、一般的な安全帯の耐用年数を踏まえ、2019 年(平成 31 年)8月1日前に製造された安全帯(要求性能墜落制止用 器具を除く。)は、2022 年(平成 34 年)1月1日までの間、要求性能 墜落制止用器具とみなすこと。

参照:「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」を公表します

フルハーネスの義務化について、今後の経緯についてまとめると、

  • 2019年2月 フルハーネスの義務化 (安衛法の施行→経過措置あり)
  • 2019年7月末 現行規格品の製造を中止

  • 2022年1月 現行規格品のの安全帯の着用・販売を全面禁止安衛法の完全施行

という流れになっていきます。 もう時間があまり無いで、該当される方は準備をした置いた方がいいですね。

「自分も該当するの?」

と思われた方がいらっしゃると思うので、次はフルハーネスの着用義務化が適用される範囲についてまとめていきたいと思います!

フルハーネスの着用義務は高さ何mから?

先に結論を言いますと建設業でフルハーネスの着用が義務化されるのは、高さ5m以上の高さで作業する場合になります。

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フルハーネス着用義務の高さはなぜ「5m」なの?

建設作業等におけるフルハーネス型の一般的な使用条件(ランヤード のフック等の取付高さ:0.85 メートル、ランヤードとフルハーネスを結 合する環の高さ:1.45 メートル、ランヤード長さ:1.7 メートル(この 場合、自由落下距離は 2.3 メートル)、ショックアブソーバ(第一種)の 伸びの最大値:1.2 メートル、フルハーネス等の伸び:1メートル程度) を想定すると、目安高さは5メートル以下とすべきであること。これよ りも高い箇所で作業を行う場合は、フルハーネス型を使用すること。

参照:「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」を公表します

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この説明だと少し分かりにくいですが、5m以下の高さから落下すると、落下した人が地面に到達できるので、 宙吊り状態にならず、普通の安全帯を使用していても安全だということになります。 つまり、落下した時に宙吊り状態になり、普通の安全帯だと危険になってしまう高さが「5m」というわけです。

フルハーネスの使用には新たに特別教育が必要?

忙しい建設業界のみなさんにはとても重要な話になると思いますが、 このフルハーネス着用の義務化に関して、特別教育が必要になります。

以下の業務を行う労働者は、特別教育(学科4.5時間、実技1.5時間)を受けなければなりません。

▶ 高さが2m以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(ロープ高所作業に係る業務を除く。)

2m以上の高さでフルハーネスを使用する人は合計6時間の特別教育が必要ということになります。

「6時間もあるの?」と思われたかたもいるかもしれませんが、ある条件を満たしている方は、一部の受講科目を省略することができます。 ここでは受講科目を省略できる条件をまとめておきますので、該当されるかたは、 「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」を公表しますをご参照いただき、詳細をご確認ください。

■フルハーネス特別教育の受講科目が省略できる条件について

  1. 適用時点に高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、フルハーネス型を用いて行う作業に6月以上従事した経験を有す る者

  2. 適用時点に高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて胴ベルト型を用いて行う作業に6月以上従事した経験を有する者

  3. ロープ高所作業特別教育受講者又は足場の組立て等特別教育受講者

フルハーネスの購入に補助金が出る?

色々な情報があるとおもいますが、基本的にはまだ何も分かりません。 ただし、厚生労働証の公式な発表では、

「新しい規格に対応する機械への更新等を促進する目的で、「既存不適合機械等更新支援補助金事業(仮称)」を平成 31 年度予算として要求しているところです。平成 31 年度予算が成立するまで、具体的な内容は未定です。」

となっていますので、予算が成立して何らかの補助が出る可能性は高いということのようです。

安全帯と墜落制止用器具はどう違うの?

「墜落制止用器具」には、従来の「安全帯」に含まれていたワークポジショニン グ(身体を作業箇所に保持すること)用の器具である旧規格のU字つり用胴ベルト 型安全帯(以下、「U字つり用胴ベルト」といいます。)は含まれません。 なお、法令用語としては「墜落制止用器具」となりますが、建設現場等において 従来の呼称である「安全帯」、「一本つり胴ベルト型安全帯」、「ハーネス型安全帯」 といった用語を使用することは差し支えありません。

参照:「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」を公表します

高さ 6.75 メートルを超える箇所での作業と、高さ 6.75 メートル以下の箇所での

作業が混在するとき、常時フルハーネス型を使ってもいいの?

問題ありません。 フルハーネス型は高さによる使用制限はなく、「墜落制止用器具の安全な使用に 関するガイドライン」(平成 30 年6月 22 日付け基発 0622 第2号)「第4 墜落制 止用器具の選定」の「1 基本的な考え方」においても、「墜落制止用器具は、フル ハーネス型を原則とすること」とされています。 さらに、取付設備の高さや作業者の体重に応じたショックアブソーバのタイプと ランヤードの長さ(ロック付き巻取り器を備えるものを含む。)を適切に選択する ことも必要です。

高所作業車を用いた作業についても、特別教育を行わなければならない?

高所作業車のバスケット内での作業であれば、通常、作業床があると認められる ため、特別教育は義務付けられません。 なお、高所作業車のバスケット内で作業する場合であっても、高さが 6.75 メート ルを超える箇所で作業を行う場合には、フルハーネス型墜落制止用器具の使用が義 務付けられます。

身を乗り出す作業、手すりがない場所や開口部での作業について、特別教育が必

要?

一般的に、作業床上での作業であれば特別教育は義務付けられません。具体的な 判断は、所轄の労働基準監督署にご相談ください。 なお、高さが2メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険 を及ぼすおそれのある箇所には、囲い、手すり、覆い等を設けること又は労働者に 墜落制止用器具を使用させること等が義務づけられます。

通行や昇降をするだけの場合、特別教育は必要?

「通行」や「昇降」をするだけの場合、特別教育は必要ありません。 法令上の定義はありませんが、一般的に、「通行」とは、通っていくという意味、 「昇降」とは、昇ったり降りたりするという意味であり、それ以外の行為(工事の 進捗確認、現場巡視、点検など)は、「通行」や「昇降」にはあたりません。 ただし、昇降を主たる目的として、昇降しながら昇降用の設備(はしご等)の健 全性等を確認するような場合は「昇降」に含まれます。

まとめ

フルハーネス着用の義務化についてまとめます

1.着用の義務化は2019年2月1日からで経過措置として2021年1月1日まで

2. 高さ5m以上でフルハーネスの着用が必要

3.特別教育が必要

ということになります。この法改正に際して、いろいろ手間が掛かることもあると思いますが、この件の最大の目的は、みなさんの安全を守るためということにあるので、改正に備えてしっかり準備をしていきましょう。

それでは、「ご安全に!」